ヴァン・ペンギン

ヴァン・ペンギン

でも何にそんなに、怯えているんだよ」"自分より余程確りしているのに"そんな言葉を使おうとした時、つい先程したばかりのやり取りをシュトは思い出した

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―――自分も情けない話になるんだけれど、シュトがここに来る前に、ネェツアークさんに、結構キツイ事言われたんだ

―――自分は、"僕は"はそれなりに打たれ強いつもりであったけれど、真正面から言われた時には、正直気持ちが参りそうだった

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―――もし聞きたいなら、ネェツアークさんに言われた内容を、友達であるシュトには話してもいい

(腹を割って、俺の為に本当なら"弱点"にもなりそうなことを話してくれてたんだよな)この怯えている少年の姿が、友達の"本当の姿"の一部というなら、友として助けたい

「アルス!、"アルス・トラッド"」助けに繋がるならと、力一杯友達の名前を口に出して呼ぶ

声が届いた瞬間、シュトを支えてくれながらも怯える少年の瞳が大きく見開いて、そのままスライドするように背の高い友人をアルスは見上げた

「―――シュト」紅黒いコートに食い込む程入っていた指の力が抜け、2人の少年の額に刻まれたシワも抜けて、滑らかな額になる

「アルス、大丈夫か?」もう一度名前を呼び、あんなにも怯えた原因の追求はせず、シュトはただそう訊ねる

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シュトを見つめ見開いていた空色の瞳は、名前を呼ばれた時点で、出逢った時から感じていた精悍で実直な様子を取り戻し始めていた

激しく瞬きを繰り返した後には、"正直過ぎる"言葉ばかり表に出してきた形の良い唇をアルスは開く

「あ、うん、その何か理由は判らないけれど、"もう大丈夫"だと思う